朝日新聞メディアプロダクション

若井田 義高 : 校閲事業部

入社3年目。大学のゼミでは、世論調査について学びました。授業や発表会にゲストとして新聞記者の方を招くこともあり、新聞と接する機会が多い大学時代でした。このゼミで教授から学んだことの一つは、「生のデータをしっかり見て、自分の頭で考えること」。今の仕事では、「データと照合し、記事の内容に間違いがないかを確認する」ことが重要な任務です。校閲と世論調査――。私のなかでは、通じるものがあったのかもしれません。校閲事業部では、朝日新聞の地域面や本紙特集面、週末beを中心に、Jリーグのスタジアムで配布するサッカー号外新聞やインターネットメディア、書籍などの仕事にも携わっています。

ランダム・ダイアリー

○月○日
夏を前に、ビールがおいしくなってくる季節。あす掲載予定の原稿を点検していると、「2年に1度、米国で行われる世界最大級のビール品評会」に関するものが。「前回を13%上回る」数の銘柄がエントリーしたと原稿中にあり、同期の女性部員がこの数字に誤りがないかチェックした。彼女は英語の品評会公式サイトから、2年前と今回のエントリー数のデータを発見し、これをもとに増加率を割り出すことに。計算の結果、増加率は13%ではなく24.8%ではないかと出稿サイドにアピールし、原稿には「前回を約25%上回る」と直しが入った。同期に感謝しつつ、仕事後はうまいビールで晩酌。
○月○日
夏の高校野球の地方大会がそろそろ始まる。選手の名前は間違えてはいけない。とても多くの選手が関わる大きな大会だからチェックは大変だが、気を引き締めて。後輩の男性部員が、「涌」と書くべきところを「桶」としてしまっている箇所を発見。似ている字には要注意。
○月○日
合唱コンクールの県大会の原稿。練習時に上級生が「キーボードをつま弾き」音程を確認する、とあった。後輩の女性部員が「『つま弾く』とは、弦楽器を指先ではじいて鳴らすこと。『キーボード』の場合にはそぐわないのでは」と指摘。日々、言葉と向き合う仕事でもある。
○月○日
4人でチームを組んで担当するサッカー号外新聞。今日の夕方に降版するのだが、最後の原稿の取材が、降版当日の今日になるという連絡を受けていた。出稿されてから素早く校閲作業を終えるため、今朝もらった参考資料にチーム全員、あらかじめ目を通しておく。最後の出稿から1時間後、無事降版。個々の集中力だけでなく、チームプレーも問われる仕事だった。
○月○日
2カ月ほど専従チームを組んで、一冊の本づくりに携わってきた。今年が50回の節目の全日本大学駅伝を記念し、学生駅伝を特集したムック「大学駅伝この1冊でまるわかり」(朝日新聞出版)だ。49年分、延べ約1万5千人の選手名が載る「三大駅伝」の記録ページなど、正確な誌面をつくるため万全を期してきた。今日が校了日。新聞の仕事では毎日が「校了日」だが、本づくりは長丁場となることも。校閲の仕事は個人プレーだけでなく、仲間と「たすき」をつないでいくようなところもある。

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